屋上防水工事に関する情報をご紹介
密着工法での屋上防水
マンションはもちろん、最近では、屋上のある戸建ての住宅も増えてきており、屋上の防水は身近になりつつあります。
また、屋上防水のことを知ることで、ベランダやバルコニーの防水の内容や流れを知ることにも繋がります。
屋上防水の工程
ウレタン屋上防水には密着工法と通気緩衝工法があり、戸建ての場合は、主に密着工法で行われます。
通気緩衝工法は、ルーフバルコニーやマンションの屋上など、主に面積の広い場所で行われます。
このページでは密着工法での工程をご紹介します。
- 1. 下地調整
- 2. 下地補修
- 3. 密着工法の施工
┣ 立ち上がりのプライマー
┣ 立ち上がりの1層目(クロス貼りも行う)
┣ 立ち上がり2層目、平場1層目(平場のクロス貼りも行う)
┣ 立ち上がり3層目、平場2層目
┗ トップコート
下地調整
高圧洗浄や、皮すき、ディスクサンダーを使用したケレンなどの作業が下地調整になります。
床がモルタルの場合は、まず高圧洗浄をしてそれから綺麗にして、乾燥に一日おきます。
下地補修
クラックの補修をしていきます。
クラックの幅や深さが浅い場合は、そのままシーリングして防水に入りますが、クラックが深い場合は、それだけでは後からクラックの再発の可能性もあるため、ディスクサンダーにてカットして溝を作るUカット工法にて再発を防ぐ施工をします。
Uカット工法は外壁のクラック補修方法でもあり、2液成分形のかとう性エポキシ樹脂やポリマーセメントで補修しますが、床の防水の場合はプライマーとシール材にて下地処理をします。
このときのシーリング(コーキング)は主に、防水材などに悪影響を及ばさず、密着力がよくて相性の良いノンブリードタイプのウレタンシーリング剤を使用します。
Uカット部にシール材を注入したらヘラやバッカーでならし乾燥後、防水施工に入ります。
密着工法の施工
立ち上がりのプライマーと1層目
下地補修の完了後、まず、プライマーをローラーと刷毛にて塗布します。
立ち上がりなどを先に施工します。
立ち上がりのプライマーが終わったら、次は立ち上がりの1層目を塗布していきます。
立ち上がりは床の平場と違って、重力によって垂れてくるため、材料が固めの立ち上がり専用防水材を使用することが重要です。
平場用で立ち上がりもできなくはないですが、膜の厚さがつかずウレタンが切れたりするなどもすることがあり防水性能が下がります。
立ち上がり2層目と平場1層目
次に、立ち上がりの2層目を塗布し、平場の1層目を塗布していきます。
平場用と立ち上がり用の放水材をミックスさせて立ち上がりをもう一度塗布することによって、最適な膜厚が得られ防水性能が向上します。
立ち上がりは膜厚が薄いため乾きも早めです。
なぜ立ち上がりを多く塗るのかというと...
平場と厚みを合わせ、立ち上がり部分にも平場と同様の防水の性能を出すためです。
先ほども書いたように、立ち上がりは縦になっている部分なので、ウレタン塗料が下に垂れてきてしまいます。
そのため、平場と比べると膜が薄くなりがちなので、1層多く塗ることで、平場と同様の厚膜に仕上げることができます。
クロス貼り
立ち上がり、平場ともに、一層目の塗布の際に、クロスも貼っていきます。
クロスを貼ることによって、クラックの防止にも繋がり、クラックが発生した場合でもそこから水が浸入するのを防いでくれるという働きがあります。
立ち上がり3層目と平場2層目
翌日、乾燥を確認したら、立ち上がり3層目と平場の2層目を塗布していきます。
合計立ち上がりは3層、平場は2層ウレタンを塗布することで、耐久性能のある防水工事ができます。
もちろん施工しやすいように希釈しすぎたウレタンでは意味がありませんので、しっかりメーカー仕様を守って厚みが得られる材料撹拌をします。
また立ち上がりの場合は、それでもクラックが多い場所や下地が粗い場所などは、塗布回数が足りない場合も出てきます。
厚みをつけなければ耐久性が得られない場所については、仕上がりの見た目状態も加味して、回数を増やす場合も出てきます。
平場の場合、結果的には下地補修を除いた層は4層で、
立ち上がりの場合は、5層になる場合が基本です。
平場・・・・・・・ | プライマー塗布→ウレタン1層目→ウレタン2層目→トップコート塗布 |
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立ち上がり・・ | プライマー塗布→ウレタン1層目→ウレタン2層目→ウレタン3層目→トップコート塗布 |
トップコート
最後に、防水層表面を紫外線などから保護するために、トップコートを塗布していきます。
また、トップコートには、細かいゴムチップが混ぜられているものがあり、滑り止めの役割も果たしてくれます。